スナップアップ投資顧問の記録
グーグル(Google)は2006年秋にユーチューブ(Youtube)を16億5000万ドルで買収した。 その後の2007年2月、グーグルは米証券取引委員会(SEC)に資料を提出した。その資料から、株の取得数が判明した。
株式交換でGoogle株式を取得
Youtube買収は、株式交換方式だった。ユーチューブ株主に対して、グーグル株が支給された。2007年2月7日終値で計算すると、ユーチューブ(Youtube)共同創業者のチャド・ハーレー氏は、3億4500万ドル相当を手にした。
もう一人の共同創業者、スティーブ・チェン氏は3億2600万ドル相当の株式を取得した。
チャド・ハーレー氏とスティーブ・チェン氏は、創業からわずか2年弱でユーチューブ(Youtube)を売却した。シリコンバレーでも珍しい短期間での大成功だった。
現金・有価証券を1兆2000億円保有
グーグル(Google)は2005年、15社の買収に1億3000万ドルを使った。ユーチューブ買収に2005年分の10倍以上を投じたことになる。
とはいえ、グーグル、買収発表当時の2006年6月末時点で、約100億ドル(約1兆2000億円)もの現金・有価証券を保有していた。
それ比べると、Youtube買収額の16億5000万ドル(約2000億円)はそれほど大きい買い物ではなかった。
創業8年で初の大型買収
買収当時、ネットによる動画配信は米国で1億人が視聴するまでに急成長していた。
米調査のヒットワイズによると、ネット動画市場において、グーグル(Google)のシェアは11%だった。ユーチューブ(Youtube)は46%を握っていた。
このほか、グーグル(Google)が2006年8月に提携した人脈サイト最大手「マイスペース・ドット・コム」は21%だった。資本参加したAOLを含めると、シェアは8割を超えた。
Youtube買収によって、グーグル(Google)連合は8割強のシェアを持つ「一強」となった。
ネット広告では最大手オムニコムと並ぶ
一方、2006年時点において、グーグル(Google)のネット検索シェアは、アメリカで50%だった。広告収入に全面依存するグーグル(Google)の2006年4~6月期の売上高は25億ドルだった。世界最大の広告代理店グループの米オムニコムと肩を並べた。
また、1300億ドルの時価総額はIBMを超えていた。Googleにとって、数少ない出遅れ分野が1~2年前に米で普及が始まった動画配信分野だった。